最近の記事

2015年12月28日

第35回 全国大会のお知らせ


35回大会のお知らせ




日時:2016年5月27日(金)、28日(土)
場所:同志社大学 寒梅館 地下1階A会議室(室町キャンパス)

《第35回大会概要》
 2016年度の全国大会は京都での開催となります。今回は、「海洋国家アメリカと文学」が特別講演とシンポジウムに通底するテーマになっています。特別講演は巽孝之先生にご登壇をお願いいたしました。捕鯨都市セイラムを取り上げて、ホーソーンを中心に、ポーやメルヴィルの作品もからめてお話しいただけるとのことです。シンポジウムでは、アンテベラム期の海軍と文学がどのような関係にあったかについて、中西佳世子先生、林以知郎先生、齊藤昇先生、真田満先生に、それぞれホーソーン、クーパー、アーヴィング、メルヴィルの作品や伝記的事実を題材に論じていただきます。ワークショップは、倉橋洋子先生、竹野富美子先生、加藤惠梨香先生に「イーサン・ブランド」の魅力についてそれぞれ独自の切り口から語っていただきます。

【第1日】
・開会のことば
・研究発表(発表を希望される方は、下記の応募規定に従いまして、奮ってご応募ください)
・ワークショップ
   「イーサン・ブランド」を読む
司会・講師:倉橋 洋子 氏(東海学園大学)
        講師:竹野 富美子 氏(名古屋学院大学)
        講師:加藤 惠梨香 氏(立教大学・院)

<概要>
 「イーサン・ブランド」(1850)では「許されざる罪」を捜しに出かけたイーサン・ブランドが、結局自分の中に「許されざる罪」があることに気づき、石灰窯に身を投じる。様々な解釈がある中で「イーサン・ブランド」のテーマを孤独から「知」と「情」の分離と捉えることが根強い。本ワークショップでは、従来の「イーサン・ブランド」の解釈を踏まえつつ三人三様の異なる読みを試みる。例えば、ダンテの「地獄篇」を想起させる「イーサン・ブランド」の円環構造に注目し、ブランドの帰郷や笑い、死の意味等について考える。また「反響」という言葉やバートラムとブランドの心に往来する罪、アルコールのやりとりに注目し、イーサン・ブランドとコミュニティについて考える。さらに、「イーサン・ブランド」の火とアルコールのモチーフ、およびイーサン・ブランドの象徴的火葬に着目し、アメリカ先住民表象について考える。

・特別講演
           講演者:巽  孝之 氏(慶應義塾大学)
           演 題:捕鯨都市セイラム――ピューリタン文学の起源
・総会
・懇親会:同志社大学 寒梅館7階フレンチレストラン・ウィル


【第2日】
・シンポジウム
       海洋国家アメリカの文学的想像力―海軍のディスクールとアンテベラムの作家達
司会・講師:中西 佳世子 氏(京都産業大学)
講師:林 以知郎 氏(同志社大学)
講師:齊藤 昇 氏(立正大学)
講師:真田 満 氏(龍谷大学・非)

<概要>
 アメリカは1794年に海軍を創設した。ジェファソンの時代に5つの海軍工廠を建設したアメリカは海洋国家としての道を本格的に歩み始める。そして蒸気船を導入し、日本開国に成功したアメリカであるが、この時期の作家達には海軍体験を持つものや身近に海軍との接点を持つものが少なくない。クーパーやメルヴィルは実際に海軍に従事したし、海軍エリートや政治家や文人が交流する場でもあった海軍工廠にはクーパー、アーヴィングやホーソーンも出入りした。これらの体験が作家達の創作活動に影響を与える一方、海洋フィクションに感化される海兵や自ら遠征記を書く海軍士官を生みだすなど、いわば洋上の読者共同体を形成していくこととなった。海軍には、エキゾチックな体験やロマンティックな冒険への憧れとナショナリズムが織りなす海軍のディスクールがあったのだ。シンポジウムでは、海洋国家として発展する19世紀アメリカにおける海軍のディスクールと作家達の文学的想像力の接点を考察し、アンテベラムの文学を新たな視点から読み解く試みを行いたい。

・閉会のことば

≪発表応募規定≫
1. 発表者は会員であること。
2. 発表内容は未発表のものに限り、発表時間は1人25分以内(質疑応答を含む)とします。
3. 応募書類
@発表要旨:横書きで日本語800字程度、もしくは英語400words程度にまとめたもの。
A略歴:氏名(ふりがな)、勤務先、職名(学生の場合は所属先、身分)、連絡先(住所、電話番号)を明記したもの。
上記2点を大会準備委員会までEメールに添付してお送りください。

応募先(問い合わせも):辻祥子(松山大学)E-mail: tsuji@cc.matsuyama-u.ac.jp

4. 応募締切:2016年2月末日(必着) 選考結果は3月中に応募者にお知らせします。
5. 応募書類は返却いたしませんが、個人情報の扱いには十分留意いたします。
6. 大会の開催地区以外に居住している大学院生会員が研究発表(ワークショップ、シンポジウムを含む)をする場合、交通費の一部を協会が助成いたします。今大会では、関西以外の地域に居住している大学院生が対象となります。助成希望の方は事務局までご連絡ください。

≪大会準備委員会より≫
シンポジウムとワークショップのテーマや人選につきましては、2015 年の総会で各支部から発案していただくことが決まりました。今回、シンポジウムは関西支部から、ワークショップは名古屋支部から案を出していただき、発表者はなるべく同じ支部に偏らないように選んでいただきました。限られた時間の中でご尽力いただいた関係者の先生方にあらためてお礼を申し上げます。発案の要綱を以下に記します。

1)各支部からの発案(テーマ、人選など)は複数でもよいし、発案しなくてもよい。
2)各支部からの発案の選考や具体化(実施年度の決定など)は準備委員会で行う。
3)各支部からの発案と準備委員会の発案との調整やコーディネイトは準備委員会が行う。
4)機械的、強制的な支部間のローテーション制とはしない。
今後ともこのような形で臨機応変にテーマの決定や人選を行いたいと思いますので、ぜひご協力のほどお願い申し上げます。

(辻 祥子 記)

※ 昨今、京都の宿泊施設は予約が非常にとりにくくなっており、早目の手配をお勧めいたします。
 ご不明な点等ございましたら事務局までお問い合わせください。

posted by nhs-j at 12:19| Comment(0) | 本部事務局
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]